たそがれ清兵衛

たそがれ清兵衛」を久しぶりに観た。BSで録画した藤沢周平原作の時代劇である。真田広之、好きな俳優だ。宮沢りえはスキャンダルまみれで、眉をひそめていた。
宮沢りえは、「たそがれ清兵衛」で明るいが質素な女を好演していた。出戻りの女役は到底無理だと思っていたが、固定観念などあてにならないものだ。

山田洋次監督は、江戸末期、下級武士の生活を丁寧に描いていた。人間とは何か、人は何が大事か、私が共鳴する精神がちりばめられていた。
どんなに文明、文化が進んでも人の心は変わるものでない。嘘をついたり、人の心に響かない饒舌でまくし立てても信頼は得られない。時代が変わっても同じである。

妻に先立たれた清兵衛の生き方は、子供の成長を心の支えに強い信念で、真面目に勤めにいそんじていた。実直で真面目な生き方は時代が変わっても微笑ましいものだ。
どんな強い信念を持っていても、それより大事なものがある。人は一人では生きていけない。人と人のぬくもりは、人生において一番大事であると語りかけている気がする。「たそがれ清兵衛」、日本アカデミー賞を受賞している。