ネジリハナ
ザクロ
監督は自主性を熱く語られたが、中学生には手を取り足取り、厳しい指導を望んでいた。今までの「俺についてこい」と、スパルタ式練習とは真逆であった。
今思えば、監督は太平洋戦争を経験されて、考えない、もの言えない、従うだけの環境を忌み嫌っておられた。
自分でものを考え、練習を工夫し、それで疑問を生じたら「聞きに来い」と、民主的な練習法を実践されていたのだと思う。
新監督になって、今までの軍隊式の練習法は影を潜め、学年に関係なくデスカッションして、自由な雰囲気が広まった。
授業も、威張ることなく、平等に接してくれ、私には今までの先生にはない、民主教育の恩恵を受け取ったような気がした。
野球部の実力が上がったことにはならなかったが、自分でものを考え、実行する、基本的な習慣が身につけるきっかけになったと思っている。大人になる前の自立が芽生えたと感謝している。 つづく