野球部物語3

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玉名 高瀬川菖蒲
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  玉名 高瀬川菖蒲

一年生でレギュラーに選ばれた。真新しいユニホーム背番号2番の貸与があった。嬉しい反面、練習は苦痛の連続であった。
 キャッチャーは、守備のかなめであるが、練習中、一時も休まる暇はなく、バッターが空振りする度、ボールが体をかすり、ヒヤヒヤの連続である。
 なれないポジションに悪戦苦闘、身体は生傷の耐えることはなかった。監督が担任のため、愚痴や弱音を吐きたいが我慢するしかなかった。
 上級生がいないチームは、一回戦のコールド負け、青ざめた顔色の監督の落胆ぶりは、その後の練習厳しさに現れてきた。
 うさぎ跳び、猛ノック、猛ダッシュ、長時間の練習で帰宅は8時であった。疲れ果て、一人で食べる夕食は味もなくただかきこむだけであった。
 風呂に入り寝るだけで精一杯であった。今思うと3年生の退部は厳しい練習だけでなく、進学を控え不安があったんではなかろうか?当時は考えも及ばなかった。つづく