野球部物語 12

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 私の野球部の活動は残り1年になった。来年の夏合宿までが、最後の部活動になる。当時は感傷的な思いはこれっぽちもなく、キャプテンとしてまとめていくことしか頭になかった。
 キャプテンやエースとしての自覚が芽生え、張り切っていた事i以外、夏合宿、その他の事は記憶からすっぽり抜けている。自主性を重んじるチームのキャプテンは責任が重いのである。
 猛暑の中の夏合宿、自主性に任せて監督は、校務を優先して練習に顔を出すことが少なくなった。それでも、市内の強豪校に進学した先輩が指導に来てくれて刺激になった。
 野球漬けの毎日が続き、練習は順調に進んで行った。ところが青天の霹靂、先輩が生徒会長に立候補を勧めた。クラスでも話はまとまっていた。
 野球部物語に生徒会は、無縁なようだが、夏合宿でも部員に話が持ち上がっていたらしい。それは先輩が根回ししていたのである。二足のわらじは無理であることは判り切っているが。若さがあった。
 野球部に所属していたらこそ、立候補する羽目になり、そして当選できたのである。練習にも、生徒会活動にも熱が入り、帰宅は暗くなることもしばしばであった。   つづく