昨日食べた夕食のメニューは思い出せないのに、60年以上前のことがに生き生きと思い出される。高齢者現象と言われているが、その先には進まないことを願っている。
夏合宿の前、ポジション決めが待っている。自主性を重んじる監督は、いつも練習している部員に任せてくれた。収まるところに収まるもので、自然と適材適所に落ち着く。
一つだけピッチャーを決める時、監督が口を出して来た。ピッチャーを希望する者だけは、テストがあった。スピードが命である。
今まで守っていたキャッチャーは労多く、目立たないポジションで、ピッチャーのテストを受けることにした。希望者が4~5人いたろうか。監督の前で投げる球のスピード競争である。
私はコントロールは悪かったが、肩の強さには自信があった。スピードガンがなかった時代であるが、監督の目に留まったのだ。
私はキャプテンに選ばれ、ピッチャーに指名された。熊本工業に進学して、プロ野球選手に本気でなりたいと思った瞬間でもある。 つづく