野球部物語 7

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 担任でもあるH監督はダンディでおしゃれな先生であった。授業はネクタイ、背広で、ビシッ決めていた。教科は数学で厳しかった。
 野球部への情熱を失ったのか、放課後の練習にはめったに顔お出さなくなった。上級生の退部で、連戦連敗が余程堪えたのであろう。
 教職員の移動にH監督の名が載っていた。退任の挨拶で所はばかることなく涙されたのが印象に残っている。声の大きな怖い熱血漢のH監督であったが、人間臭い一面が懐かしい。
 3年生が去り、新チームは自主練習や、交流試合でチームの体を成して来た。特に投手のMさんは練習熱心で努力家であった。女房役、捕手の私には目をかけてくれた。
 新学期、2年生になり、野球部の監督は誰になるか、部員は心待ちうにしていた。校長先生がO監督を紹介された。若い先生は尻込みされたのか、我々からするとおじいちゃん先生であった。それもい新しく移動してきた教頭先生であった。
 「私は自主性を尊重します。楽しくやりましょう」と、穏やかな口調で語りかけられた。今までとは180度違う指導法である。頑張るぞう!!