野球部物語 6

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 夏休みに一週間程度の野球部の合宿は、我が家から離れる初めての経験であった。不安を吹き飛ばす若さがあった、期待に胸を膨らましていたと言ううのが本当のことだろう。
 歌が上手い人、料理が得意な奴、肝試しでは動じない心臓の持ち主、合宿はそれぞれの個性が発揮されるる。いじめ等、起きることはなく、同じ釜の飯を食う仲間としての絆が深まった。
 夏休みが終わると、スポーツの秋。運動会や陸上競技会、駅伝等々目白押しである。野球部は日ごろ鍛えているので、引っ張りだこである。運動会では花形であった。
 私は小学時代から、カケッコでどうしてもかなわない同級生がいた。ところが、校内の記録会で同級生を抑えてダントツの一位であった。
 監督の厳しい練習で鍛えたのは伊達でなかった。野球部員は、校内マラソン陸上競技会、学校を代表して出場して活躍していた。
 一年生で棚からぼたもちのレギュラーになり、充実した学校生活を送ることになった。しかし成績は下がる一方で、通知表を両親に見せるのが苦痛であった。