野球部物語 10

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 大会が終わって、審判団の訪問を受けた。大会の善戦で田舎チームの指導に訪れたのだ。野球の基本を丁寧に指導してくれた。
 我々の実力が認められたと喜び合い、今度は矢部郷大会優勝だと練習に熱が入った。自主練種は楽しいものであった。
 運動会の部活紹介で、鼻高々で優勝旗を掲げて行進したいと欲望は膨らむばかりで、有頂天になっていた。
 張り切って大会に臨んだが、思うような結果は得られなかった。野球はチームプレイが要求される。監督の掛り合いががないと、個人プレイに陥ってしまう。
 有望な一年生が入部したにもかかわらず、指導する上級生は面倒見ることなく、自分の事で精一杯である。これではチーム力は上がらない。
 野球シーズンは終わり、3年生は練習に姿を召せなくなり、我々2年生がチームを引っ張る番になった。私は、キャプテンに選ばれ、ピッチャーのポジションを任された。 つづく