無頼派作家

 先日73歳で亡くなった作家、伊集院静さんは無頼派と呼ばれていた。酒、ギャンブルをこよなく愛していた。姿、恰好からやんちゃな、何事にも興味を求めてギラギラしていた。自由な人であった。
女優の夏目雅子さんと結ばれ、うらやましく思っていたが、夏目さんの白血病を患われ、若くして独り身になられた。無頼派は強がりを張っても、内心は寂しがり屋が多い。

 伊集院さんの作風は、妻との別離を体験して、大きく変わった。ニヒルな感情、どこか突き放した立ち位置で書いていたエッセイが、思いやりの言葉が随所にちりばめられているようになった。
「大人の流儀」は週刊誌に連載されていたエッセイだが、私は病院や理容室の待合室で読んでいた。つかの間に読むにはちょうど良い読み物である。

 私もブログでエッセイらしきものを、もう16年綴っているが、伊集院さんのエッセイを参考にしている。歯に着せぬ鋭い切り回しは真似は出来ないが、切れ味がん鋭くなければ人の共感は得られない。
かけがえのない人生を73歳で終えるのは無念であったろう。しかし無頼派、2回の結婚、酒ギャンブルに溺れやりたいことをやって満足の一生だったろう。