「ぼくはあと何回満月を見るだろう」を読んで

 

余命幾ばくも無い坂本さんが綴ったエッセイに、私の死生観のヒントにしたいとは虫のいい話である。坂本さんの死生観は坂本さんのものであり、私のではない。
「ぼくはあと....見るだろう」の感想文を書くと大上段に構えたが、この本は100ページ迄も進んでいないが、何とか述べてみる。

小林秀雄は「1カ月住んだらアメリカの何たるかは書けるが、1年間住んだらなにも書けなくなる」と評論している。
言い訳がましいが、坂本龍一さんのエッセイもさわりしか読んでないが、感想を書いてもお許し願いたい。

「末期がん、レベル4で余命半年」と医師から宣告され憤慨している。世界的音楽家でも世俗的な面があるなと微笑ましい。
生きたい、死にたくない執念は凄まじい。あらゆる抗がん剤を試し、ガン細胞はとれるだけ切除し身体を切り刻んでいる。
決して悟りを開いて大往生した訳でない。