五月病

 大型連休が終わり、今日から普段の生活に戻る。毎日が日曜日の高齢者には関係なかろうと思われがちだが、そうでもない。ゴールデンウイークは心が騒ぐのである。
お盆とか正月は世間は賑やかになるが、賑やかになればなるほど、高齢者の孤独はふ深まるし、世間から取り残された気分になるものだ。

 必死に勉強して合格し、晴れて入学したものの、ホッとしたのもつかの間、心に空虚さが湧きあがり、戸惑うことになる。
病気でもないのにやる気が出ない。目標や希望がみつからない。焦れば焦るほど、気持ちが沈む。私が経験した五月病と言えるものである。

 「人間は考える葦である」とフランスのパスカルが言った言葉だが、悩み苦しむのが人間である、食って寝ていても考えるのが人間である。
だから、人間にしか起きないのが五月病である。人間に生まれたからには死ぬまで続いて行くのが、悩みである。悩みがあるのが人間である。