祖父へ

ウクライナとロシアが戦っている。毎日戦争の惨状が写しだされている。飽きもせずそれを眺めている私がいる。
大量の戦争の情報に接すると否が応でも反戦思想になる。そして平和のために何科か役に立つことはないかと思うが、立ちすくんでいる。ロシアの理不尽な、人道に反する攻撃に怒りがこみ上げるが為す術もない。

祖父の軍服姿の集合写真が一枚ある。満州で写った写真である。日露戦争に従軍したらしいが、戦争の話は聞いたことがない。
今のロシア軍の残忍非道の仕打ちをみるにつけ、よく生きて帰れれたものだ。戦地で命を落としていたら今の私はいない。

今思えば、祖父に戦争の体験を詳しく聞きたがったが、それには幼すぎた。1885年福岡生まれ、熊本には官吏として赴任、行政、教育、そして神主として活動した。
祖父の亡くなった年齢に達しようとしている私は、今だ定まらず、迷いながら生きている。戦地に赴いた祖父には絶対かなわない。