健忘症

 






もの忘れが酷くなった。若い時からもの忘れは私の専売特許であった。若い時はもの忘れしても、元来呑気な性格で気にする事もなっかった。
忘れることも人間らしいとうそぶいていた。笑って済まされるのも30歳位までで、何時までも許されるほど世間は甘くない。

友達の結婚式に招待されたことをすっかり忘れて、気づいたときは後の祭りであった。申し訳ない事であり、すみませんでは許されないことである。
もの忘れがひどくなるのを見かねて、山友からメモ帖をつけることをアドバイスされた。最初は真面目につけていたが、その内、元の木阿弥になつたのに、時間はかからなかった。

出掛ける時、一番気をつけるのは、ガスは消したか、次に電気、戸締り。ガスだけは消し忘れが火災につながるので、特に注意している。
今日は山友と近所の餃子屋に食事を共にした。清算してい自宅に帰る途中、バックを忘れた。平謝りしてお店に引き返してもらった。迷惑をかけてしまった。もの忘れで済ましている間はよいが、ボケてしまったら始末におえない。「まだ何も食べていません」