地図を持たない旅

 人生とは、「地図を持たない旅」である。文藝春秋のエッセイ、「地図を持たない旅人」を失敬して、1字削って真似たものである。
「地図を持たない旅人」の書き手、大栗博司氏は素粒子物理学者である。今月号で連載5回目で
益々面白くなって目が離せない。学問、人生、旅、真理の追求である。いずれも地図を持たない旅である。

 人生は明日のことは解らない。朝起きて飯食って、今日も一日無事終わったなーと、床に就く平々凡々の生活の予測はつく。だけど、脳卒中脳梗塞、クモ膜下で倒れるかもしれない。平凡な暮らしでも、何時何が起きるか?
「人生と旅」を同じと取り上げているのは、旅のエッセイスト沢木耕太郎氏がいる。「何も考えずに旅したいと思った時が旅立つときである」と、行動に主眼を置いている。

 私も無鉄砲な行いをすることがある。山登りは下調べを念入りに、遭難しないよう慎重でなければならない。
登山道はあまり変わることはない。とは言っても十何年もたってから、記憶も曖昧になる。自信もって案内して、道に迷ったことが度々ある。山友に迷惑をかけても、旅は冒険である。