大いなる不在

街はうだるような暑さだ。立っているだけで汗が噴き出して、この世とは思えない環境である。暑い時は、お店に入るか、映画館がゆっくり出来る場所である。
私はウインドウショッピングは苦手である。買わないで、お店に入ったり、百貨店をうろついたり出来ない性分である。本屋さんは特別で何時間でも暇をつぶせる。

 電気館は大手が配給しない、採算が取れない、独立系の映画館である。新進気鋭の監督の作品が架かっている。
私は、興行的には成功しなくても、社会に問題を投げかける作品を応援したくなる。鑑賞し終わって首をかしげる、理解しがたい内容であっても満足である。

 「大いなる不在」は、性格俳優の藤達也が出演しているだけで、この俳優の作品は間違いなく感動すると確信して、入場券を求めた。
題名からして興味をそそったが、私にはしっくりいかなかった。私の頭が錆びついているのか、感動することはなかった。面白くない作品でも私は映画が大好きである。