こころにのこったえいが


映画を観る回数が減った。忙しく立ち働いて暇を惜しんで映画館に通っていた頃がはるかに多い。暇が出来ると映画に触れる機会が多いとは限らない。
最近何本か映画を観に出掛けた。ベルりン映画祭でグランプリに輝いた、「アダマン号に乗つて」、出だしから眠りこけていた。

国際的に評価された作品であるが、私には退屈であった。それでも、話が進むにつれ魅入れられ内容に引き込まれた。
何日経つても、思い出せるのが、「せかいのおきく」には感動した。糞尿を真正面から取り扱った映画が過去あっただろうか。

誰でも世話になる、でもなるだけ触れたくない、そんな職業、江戸時代の糞くみの仕事を現代に投げかけている。
水洗トイレで用を足した後何も残らない暮らしでは人間の本質はわからない。最下層から見た社会は、ドロドロした、情念が交叉しているが、人間の本質が見えて大傑作に思えた。