朝比奈秋

 先日、下通の蔦屋書店に立ち寄った。会合まで時間があったので、好きな時間を過ごすのには、本屋が一番である。
久しぶりにのぞいてみたが、店内は様変わりしていた。同じようなレイアウトでは客は飽きてしまう。

 店内の一角にスターバックスが開店していた。満席で、若者で賑わっていた。コーヒーを頼むのに行列になっていた。雑談したり、本を読んだり、コーヒーをすすったり、今までの本屋のイメージはない。雑踏、騒音、静かに本を読む雰囲気でない。
反って雑踏の中、本に親しむには気持ちいのである。社会は変化する。昔の儘の経営では、本屋を撤退に追い込まれることになる。

 芥川賞直木賞受賞が決まった。芥川受賞作は文藝春秋誌上に載るので、直木賞作品を見渡したが、まだ発売には至らなかったのか、探しても見当たらない。
芥川賞受賞作家の、朝比奈さんのエッセイを立ち読みした。「これから小説を書く人へ」のメッセージである、「ただ書き始めること、飾らずそのまま書いてみること」。