映画「福田村事件」

 映画の批評文は得意でない。映像で感動したのを、文章にするのは難しい。アカデミー賞受賞作、話題作が面白い、感動するか、十人十色である。 「福田村事件」は、熊日の映画時評で絶賛されていた。関東大震災から今年で100年経つ。今日の朝ドラ「らんまん」で関東大震災のシーンが映し出されていたが、大正12年のことである。    

関東ではここ30年の間に、関東大地震並みの地震が起こるとまことしやかに喧伝されているが、「福田村事件」 を観ることを勧める。100年前の事件が現代でも起こり得ると思うからである。 大災害で人が不安でおののいている時、熊本でもデマや噂が飛び交った。人心は惑わされ、正常な判断ができないで、簡単に騙され信じてしまう。    

映画のテーマは、フェイクニュースの類でないが、戦争で政府や軍部が幅を利かし、まともな判断ができないことだ。戦争は理不尽の行為が正当化される。 特に日本人は御上の言うことは盲目的に信じ従う。そのことが、何の罪もない人々を虐殺に追いやった。戦争と差別が人々を狂気に追いやった。