ひまわり


戦争映画なのに、戦車も銃も、それに爆撃、銃撃シーンは一切ない。戦争反対を訴えたとしても意外な描き方である。
冒頭、平和を象徴する、「ひまわり」を登場させたことは、これから起こるであろうストーリーをより際立だたせる効果がある。

ロシアがウクライナを侵略して、戦争の残酷、悲惨、非常理が毎日報道されている。戦争は街を破壊し、命を奪い、人々を悲しみのどん底引き落とし、不幸にしている。
50年前封切られた、「ひまわり」は、今の世相にピッタリの映画である。戦争は、人の命を奪い、街を破壊するばかりでなく、心までズタズタにしている。

大上段に、戦争反対の言葉や残酷シーンでは描き切れない、目に見えない人間の心を余すことなく描き切っている。名作と呼ばれる所以だろう。

「ひまわり」を、観終わって、愛の不可思議、戦争の愚かさ、人間のすばらしさを再認識した。生きて入れさえすればどうにかなる。人間は生きていかなければならない。