アウシュヴィッツの生還者

  戦争とは狂気である。ナチスを扱った映画やドキュメンタリーは快挙にいとまない。スティーブンスティールバーグの「シンドラーのリスト」はユダヤ人大量虐殺の現場がアウシュヴィッツである。 ロシアとウクライナがいつ終えるとも解らない戦争に突入している。一方的にロシアが悪いのだが、ウクライナ住民の虐殺は、戦争の狂気である。  

 映画、「アウシュヴィッツの生還者」は人間が踏み込んではいけない領域まで、人間の真実を描いている。日本人の性善説をあざけ笑っているかのようだ。 収容所の娯楽のため、ユダヤ人強制収容者同士、ボクシングが勝負がつくまで闘わせる。負けたら射殺。生き延びるためには、勝つしかない。人間のやる所業ではない。  

 地獄より過酷な世界で、無事生還した主人公ハリーが、無事生還できたのは腕力が人並み以上強かったこともあるが、何よりも恋人に会いたかったからだ。愛情が生きる希望を与えてくれたのだ。 この映画が何を言わんとするか、何が大事なのか?明確である。戦争は人間が人間でなくなる。ほっとくと鬼畜にも劣る、狂気に陥ると警鐘を鳴らしている。