大往生



親友高田は大往生して天国へ旅立った。誰にも迷惑かけず、世話にならずポックリ天に召された。理想的な旅立ちである。
亡くなる前日、同級生A.Tと会食している。A.Tによると、幼少から青春時代まで饒舌に話し込んだそうである。思い出話に話が盛り上がったそうである。

亡くなる前日まで元気で陽気でいたのである。あくる日、玄関で倒れているのを家族が発見したのである。これを大往生と言わずして何と言うのだ!!
病気して延命装置で、生き延びるも悪い訳でないが、望むなら、出来るなら、ポックリ天国に召されるのを望まぬ人はいない。

葬儀は家族葬で済ませたため、3年5組の同級生10人で別居している奥さんの自宅に焼香に参列した。
突然の友の死で、投げかける言葉も無いが、ゆっくり、安らかに、往生してもらいたいと願わずにいられない。