私のカレーライス

カレーライスを無性に食べたくなる時がある。一人分の食事作りは難しいが、カレーライスはたくさん作って、余っても困ることはない。残っても温めるだけで味が深みを増す。
最初にカレーライスを食べたのは小学一年生の時、兄貴が帰省中、大洋デパートに連れて行ってくれた時である。デパートのレストランでカレーライスを注文してくれた。

昼時の混み合う時間、1時間以上待たされ、お腹はぐーぐー倒れそうであった。待ちに待ったカレーライス、この世にこんな美味しいものがあるとは、皿まで舐めたいくらいであった。
お袋に「カレーライスを作って」と、ねだっていた。お袋の作るカレーライスは、レストランのカレーライスとは月とスッポンの差があると子供心に思っていた。

お袋のカレーライスは、小麦粉を溶いてカレー粉を入れ、肉のないカレーライス。食べていたら、懐かしいお袋の味になった。
カレー粉がピリッと辛い、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンが目立つカレーライスであったが、今の私には宝物の味である。