盛夏

 

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  友人が「近くに来たから立ち寄った」と突然訪ねてきた。チャイムが鳴ったので、
日曜の朝から誰だろうと玄関を開けると、友人fで会った。
 亡くなった連れ合いの仏前に花を供えに来ててくれた。亡くなってだいぶん経つのに
お盆前にお参りに来てくれたのだ。義理堅い人情に頭が下がる。
 もし私が同じ立場なら、友人の仏前にお参りに行っただろうか。私とて、行きたい
気持ちはある、しかし面倒くさくて訪ねはしなかっただろう。
 人生すてたものでない。社会には立派な心掛けの人はいる者だと、反省しながら
そう思った。それから私の行動は早かった。
 7月盆に、親戚がご仏前を持参して訪ねて来ていた。そのお返しは延ばしに延ばして
今日に至っている。早速重い腰を上げ、直接親戚を訪ねた。
 あいにく留守だったが、御無沙汰、暑中見舞いのメモを残し辞退した。気がかりが
取れて清々しい気分になった。