闘い済んで日が暮れて

 

 

 

親友、高田が天獄へ旅立って10日経った。身内が亡くなっても寂しいが、親友が亡くなるのがこんなに辛いとは、10日経っても信じられない。
葬儀は家族葬でひっそり済ましたとの報告があっても、せめて高田のそばまで行きたい、高田にお別れしたいと津之浦の自宅まで出かけた。

高田は故あって奥さんと別居して、一人暮らしを8年間続けていた。私も5年前連れ合いを亡くし一人暮らしを続けている。
同じ一人暮らしの身、励まし合って、何でも話せる親友になるのも時間はかからなかった。電話で1~2時間話す事はザラであった。

主のいない豪宅は、折からの長雨に晒され、わびしさが敷地を覆っていた。あんなにひかり輝いていた住まいは見る影もなく、自家用車は放置されていた。
私は連れ合いが亡くなっても、周りの友人に助けられ、元気に過ごしている。高田は最近輝きを失っていた。心配していたが寿命を全うしたと思っている。お疲れ様でした。