親友

 私には親友たる者がいない。そう思っていた。私なり親友たる理想があってか、どう考えても親友たる者がいないと思っていた。

 ところが、連れ合いが天国に旅立ってみると、友の存在は大きなものである。死んでみてきづいたのは後の祭りである。

 親友がいないのは、誰のせいでもない、自分のせいであり、しかし考えようには親友がいなくても人生70年は過ごしてきた。

 ところが、私の寂しさを知っては知らずか、友が訪ねてきた。私が呼んだわけでなく、向こうから親切にも、私のみを案じてやって来た。

 私には親友と呼べる友がいないと思っていたが、私の窮地に私を励ましにやって来た友は、絶対親友である。

 理想的な親友像を追い求めるあまり、又固執するあまり、身近にいた友の大切さを気づいていなかった。これから一人で生きてゆかなければならない。友の存在は生きる糧になることを身に沁みて感じている。

 友とはいいもんだ。いつまでも、何時までも手を振っていた。元気でな!

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でな