料理教室のメンバーで私が最古参である。教室が始まって11年になるが、創立メンバーで残っているのが、先生と私だけになった。
私は何事も継続することが大事で、唯一私が自慢できるのは愚直に取り組むことである。先生から辞めろと言われるまで頑張ろうと思っている。
しかし、11年間愚直に料理教室に通っていても、家で家族に振舞ったことは、ただの一度しかない。自慢できることでない。折角習っても、その腕を振るわなくては、宝の持ち腐れと言われても仕方がない。
ところが、47年間家族のため料理を頑張って来た連れ合いが私より先に天国に旅立った。連れ合いの死は全く予想だにしなかったので、茫然自失になりお先真っ暗になった。
連れ合いの死を受け止めるようになったのは、ごく最近の事である。包丁を握り料理をしなければ、誰も料理を口に運んではくれない。
今まで、料理教室は遊び半分であったが、否が応でも真剣にならざるを得なくなったのだ。料理教室を続けて良かったと思っている。