山友、Aさん

 Aさんとの付き合いは15~6年になる。連れ合いとも親しく、家族ぐるみの付き合いだと私は思っていた。

 野菜や果物などお互いにやり取りする仲であった。Aさんは勉強家で、連れ合いの病気の事ではいろいろ相談にのってもらった。

 治療の甲斐なく連れ合いは天国に旅立ったが、我が身内のようにAさんは涙を流してくれた。一緒に悲しみを共有してくれるAさんの存在は有難かった。 

 家に籠って悲しみに暮れている私を、強引にでも山に引っ張り出してくれた。人間不信が蔓延する仲、人間の優しさ、素晴らしさを教えてくれた。まだまだ人間も捨てたものでないと。

 Aさんの親切や励ましに私は大いに刺激を受けた。人間一人では生きていけない。私が受けた、親切や大きな愛を、今度は私が皆さんにキチンと返す番である。

 受けるだけ受けて後は知らん顔では、人間を語る資格はない。悲しみを得て人の悲しみが解って来たような気がする。Aさんありがとう!

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