「ライオンのおやつ」、やっと読み上げた。234ページの中編小説に一気に読めなかった。中味がつまらない訳でなく、根気が薄れてきたのか、体力が落ちたのか。
読書するのに、体力はいる事がわかっていたけれど、特に最近そう思うようになった。興味や根気ばかりではない、肉体勝負でもあるのである。
シーちゃんは死を宣告された末期癌患者である。瀬戸内の風光明媚なホスピスでの物語である。連れ合いを亡くした私にとって、身につまされる展開であった。
死が目の前に、確実に天国に旅立つシーちゃん本人が、主人公である。死んでしまったシーちゃんが主人公の物語の構成には、流石と物書きの構想力には驚かされる。
天国に旅立つ心境はの描写は、連れ合いの最期と重なり、思わず引き込まれてしまった。もっと優しく、もっと話を聞いてあげたらと、次ぎ次ぎ反省、後悔することばかりである。
連れ合いが、天国に召される前に、この本を読んでいたら、満足のいく見送りが出来たろうと思うと残念である。