カウントダウン

 「令和」の響きはすこぶる評判がいい。麗しく、平和を意味する崇高な精神が宿っているらしいが、西暦にない神々しさがある。

 私は率直に申し上げれば、物足りない感想である。「令和」の書体は安定感に欠ける気がする。それに「令」と言う、漢字は不快感がある。

 それに、素晴らしい、素晴らしいと誰もが口にするから、全共闘世代の私には、反骨の精神が頭をもたげてくる。

 権力に迎合しない私の精神は、元号の令和にも異議を申し立てたくなる。だからと言って、令和元年を大いに祝っている私なのである。

 と言うものの、「くじゅう」まで出かけて、「昭和」から「令和」に変わる瞬間に立ち会い、カウントダウンではしゃいだのである。世間に迎合している人間でもある。

 それにしても、カウントダウンの計画自体高齢者が参加するのは無茶である。足元がおぼつかない暗闇のくじゅう登山は無茶である。当日大雨でカウントダウンが中止になったのは賢明おな判断であった。

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