秋の菊池路

 高齢の山友が、「菊池渓谷に行きたい」と依頼を受けていた。高齢の山友の頼みとあって、願いをかなえてやりたいと優しい気持ちからの計画であった。 暑い熊本のからの脱出は早くから準備をしていた。ルートの確認に、下見をしたり、折角の依頼を楽しい散策にしたいはずだったが、初秋になってしまった。  

 涼しい菊池渓谷に、酷暑の盛り夏に案内したかったが、先方の都合があったり、我々にだって用事があって、延び延びになって今日になり、初秋になってしまった。 秋の盛りに案内すると、行楽客のラッシュになり散策するには危険極まりない。ようやく予定が合い、いざ出発る直前になって雨が降る始末、一つの行事を決行するのにてんやわんやである。    

   朝から雨が降って、菊池渓谷の散策は台無しであり、急遽番匠の彼岸花見学に変更した。熊本一の彼岸花の名所着いたころ雨は上がって、「日ごろの行いが、、、、」と皆が思っているのがわかる。 なんやかんやで、山友の案内が無事終わった。「楽しかったよ、食事もおいしかったよ」。いままでの苦労が一気に吹き飛んだ。「96歳の山友、元気でいてね」。