ブラックボックス

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 沢木耕太郎さんは好きな作家である。ある雑誌に沢木さんの言葉が紹介されている。ルポルタージュを書く時、アメリカ合衆国でも、東北でもよいが、詳しく知れば知るほど筆が進まないと言う。
 長く滞在すればいいルポルタージュが書けるとは限らない、2~3週間、さらっと現地に触れるだけが、その国、地方について筆が進むとコメントしている。
 ブラックボックス(砂川文次著)は、読み始めたばかりである。ルポルタージュと感想文を比べるのは乱暴すぎるが、感想を述べてみる。
 受賞のことばで砂川さんは、「どうしてものを読み、書いているのか未だ分っていない」根源的な真理を投げかけている。
 私が、この世に生まれて、「何のため、何をするため生きているのか」と自問しているようなものである。好感持てる作家である。
 最近の芥川賞受賞作は、意味不明、理解不能でついていけない。砂川さんの文章は平易で久しぶりスイスイストーリーに没入できた。読みあげるのに時間はかかりそうでない。