「最近物忘れがひどく成った」。それに対して、「俺はボケていない」と強調する御仁がいる。自分の言い分を固執するのは、「ボケた証拠だ」と心理学的には言うらしい。
確かに、自分は頭がいいと自慢する人に、賢い人はいない。介護の申請で、ケアマネジャーさんに、「お身体はどうですか」、たとえ体の動きが鈍くても、「「げんきです」と言って家族を困らせる。
人は他人に対して弱みを知られたくない心理が働くらしい。それはそれでわからない訳でもないが、本人は善意を施しているつもりが、迷惑がれている自覚がないのは手に負えない。他人の事はよくわかるが、案外自分の事を知らないものである。
私はもの忘れはひどく成り、物覚えも情けない程、悪くなった。ボケたと自覚する人は、「ボケてない」と言ううなら、私はボケてないことになる。
物事をポジティブに捉えれば、悲観する必要はない。足元は暗いが、前向きに希望を抱いて歩いていれば、光は見えてくる。