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高齢になって小さい時のことがやけに思い出される。老い先が短くなって
心が弱気になったのか、ここらで一息つきたいのかわからない。
 私は犬が苦手だ。「うちの犬は大人しい、近づいても大丈夫ですよ」と、
言われるのが大の苦手である。小心者、臆病と思われるのが目に見えている。
 嫌いなものはどんな大人しい犬でも、小っちゃい犬でも怖いものは怖いのである。
嫌いというのは正確でないかもしれない。怖い、恐ろしいと言った方が正確である。
 私は、それでも動物愛護者である。動物番組や、ライオンや象と言った動物番組は
興味があり欠かさずチャンネルを合わせている。
 幼少の頃、祖父と出かけていた。訪問先で勢いよく玄関に入ると、白い犬に足首を
咬まれたのである。その時祖父が犬を引き離してくれたのが、今でも鮮明に思い出さ
れる。
 私を抱き上げた祖父、その記憶は、安堵と幸せ気分で幼少だったとは云え、忘れる
ことはない。それでも咬まれた恐怖だけは今でも思いだす。