二泊三日

実家を守っている兄貴が倒れた。実家の兄貴は弟の私と同じく、連れ合いに先立たれた。連れ合いに頼りに頼っていたのは私と同じである。

 だから、連れ合いを亡くした悲しみはお互い理解していたはずである。だが、兄貴は、脳梗塞で過去二度発症して、病院に担ぎ込まれている。

 そのため、脳にダメージを受け、認知症の症状が現れている。正常な判断はとっくにできないでいる。

 脳梗塞を三回引き起こすと、正常な社会生活を営むことは絶望的である。献身的に実家を守り頑張って来た兄貴を失うことは慙愧に耐えない。

 集中治療室で懸命に病気と闘っている兄貴を見守っていると涙が自然と溢れてくる。最悪の結果も考えなくてはならない。 

 前々から、計画していた、ゴールデンウイークに実家の掃除、片付けに行くことにした。兄が元気でいれば酒でも酌み交わし祖父母、父母、兄弟の幼少の頃を語り合ったのにと思うと、残念でならない。

 誰もいない実家で二泊三日を過ごした。ほんわり、暖かい3日間であった。

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