早起きは三文の得

 諺として聞きなれた言葉であるが、「早起きは三文の得」は死語になりつつある。早起きして得になる事はあまりない。
二宮金次郎の時代ではあるまいし、朝早く起きて働くことは勧められないし、なるだけやすめ、休めと推奨している世の中になっている。

 いつもの通り早く目が覚めた。外は暗く、掃除するのは近所にはばかれる。運動不足気味なので、発展する町内の散歩に出かけてみた。
引っ越してきた47年前には、畑や田んぼしかなかった町内が、ビルが乱立している。変われば変わったものだ。

 マンションを見上げると明かりがチラホラついている。早朝から頑張るサラリーマンの家庭だろうか、早くから目が覚める高齢者の部屋かも知れない。
マンションには多くの家族、家庭がある。それぞれの家庭にはそれぞれの人生がある。そんなことを思いながら散策していると東の空が明るくなった。