タラの芽採り

 天然の山菜は本物の味である。肥料も水も手入れもなく自然そのままの状態で成長し、それを我々が頂く。旬の味が受け継がれ体にも一番優しいのである。
タケノコ堀で一番難しいのは、地上にわずかに芽を出しタケノコの先端を見つけることである。4~5cm延びたタケノコは誰でも探し当てられる。

 ほんの少し靴底に当たる程度のタケノコを芽を探し当てるのは至難の業である。根気と美味しいタケノコを食べたい執念のなせる業である。
地下に埋まったタケノコは、地上に芽を出したタケノコの味とは、雲泥の差がある。掘り上げるには相当の苦労はあるが、旨いものはそう簡単に手に入るものでない。風味がよく、えぐさはなく、柔らかく絶品である。

 今回はタラの芽採りは空振りに終わったが、自然を相手ではしようがない。タラの芽は高級料亭でしか口に入らないが、最近は温室でも栽培され、八百屋さんの店先に並んでいる
高森、草部の山奥の天然タラの芽は香り、味、温室育ちのタラの芽とは比べ物にならない。急斜面で棘に刺さりながら採ったタラの芽の味は最高である。