自分の世界

  ゆったりとした安らぎが得られる、「自分の世界を持てる」、私は幸せ者である。映画や読書が、代表的な自分の世界に没頭できる空間である。
一人で没頭できる世界を持てれば、ストレスは解消できる。一人の空間が持てれば、人の五感は研ぎ澄まされ、生きる勇気を見出すだろう。人間は自分の世界が必要だ。
 
 一人の世界に没頭すぎれば、閉じ籠りになることもあるが、そこまで行けば極端で、紙一重だろう。しかし自分の世界がなければ人生は無味乾燥になる。社会と調和が難しいところだ。
一人で暮らしていると、自分の世界があると、実に楽しい。映画を観ていると、すぐに主人公になって、縦横無尽に飛び出す。経験できないことは何もない。

 芥川賞を受賞した市川さんは、重い障害を患っているが、屈託ない。車いすでは、いつでも、出かけられないし、経験も限られている。
だけど、市川さんは自分の世界と、いつも隣合わせだ。経験がなくても、小説の世界は自由に羽ばたいて飛び回れる。屈託なく明るく振舞えるのは、自分の世界があるからである。 明日は映画に行く。自分の世界に浸れる。