せかいのおきく」

熊日の映画情報の見出しに、「元気もらえる青春時代劇」とある。その情報、見出しがすごく気に入り、東宝光の森に足を運んだ。
ヒーローが活躍するエンターテインメントでない。社会の底辺にスポットを当てた人間ドラマの時代劇である。

黒木華が出演するから間違いなく面白い。贔屓の女優黒木華が主役を務めるなら、絶対見逃す訳にはいかない。贔屓と言うのはそう言うものである。
贔屓である女優黒木華を観ているだけでない。脚本がしっかりしている、演技がしっかりしているか、何を訴えたいのか、全体の批評はきっちり行っている。

人間の根源的な生きるテーマに切りこんでいるが、重いテーマに関わらず、笑いあり涙ありの、元気もらえる青春時代劇になっている。
江戸時代の時代設定になつているが、現代にも十分通用する、変わらない考え方がある。時代が変わっても人間も、社会も変わらない。人間の根底の心はそう変わるものでない。