退院後久しぶりに外出した。11日間駕篭の鳥の暮らしを強いられていたので、江津湖の景色が光輝いて見えた。
風が強く波しぶきが立ち、雲間から覗く青空が映えて幻想的な雰囲気を醸し出していた。健康の有り難さが身に沁みて感じる時間であった。
折角外出して一直線に我が家に帰るのも憚れる。一緒に植物学を受講した山友誘って昼食を一緒に摂ることにした。
和食、中華、洋食にしようか迷っていたら、御船方面まで車は進んでいた。高齢者には何と言っても和食である。脂っこいどっかりした中華や洋食はには足が向かない。
同級生Kが温浴施設を備えたビジネスホテルを御船に建設していることを思い出した。昼食後急遽、建設現場に行くことにした。建設中のホテルはひと目ですぐにわかった。私が想像した以上に大がっかりな、周りの建物より突出して高かった。
同級生Kのを誇りに思いながら、ホテルの目と鼻先にある母校を訪ねた。天神の森は50数年前の佇まいは変わらない、静かに横たわっていた。