秋の高森路

 秋晴れの高森路を快調に車を走らせた。世界一のカルデラ、外輪山を眺めながら気持ちよく、あっと言う間に高森駅に着いた。
新しくなった高森駅舎は白壁で統一され、観光地にふさわしい玄関口になっている。散歩の会の出発地点になっているので、道順を慎重に確認しながら下見に出発した。

 出発するとすぐに、地元の八百屋さんの店先に目が行った。田舎の八百屋さん、雑貨屋さんと見違えるほど、すべての商品が雑然と並べてある。人のよさそうな大将が自ら店頭で差配していらっしゃる。
値札はついているが、大将の気分次第でサービスしてくれる。近所のスーパーや量販店では味わえない接客である。昔の商店時代を彷彿させる懐かしい光景である。

 オルレであれ、フットパスであれ、地元民と交流や会話が大事である。すまして通り過ぎるのであれば貴重な体験を逃すことになる。
下見が終わって、大将がいる八百屋に寄らせてもらった。2房200円のバナナ、780円の渋柿、大将の一声で信じられない値段で買えた。「わざわざ市内から来た、持っていけ」、きっぷのいい対大将だった。