私の野球部物語、思い出されることは全て吐き出したようだ。青春の想い出は、苦くもあり、恥じらう出来事も、たくさんあった。全部吐き出したとは言い過ぎかもしれない。
運動会で、優勝旗を掲げて行進することが夢であったが、成し遂げられなかった。残念であったが、精一杯頑張ったので悔いはない。晴れやかであった。
最後の大会で決勝戦で敗れはしたが、善戦であった。もう少しの所で優勝旗に手に届くところであったが、打ち込まれてしまった。
試合後監督が私を呼んで真顔で話された。「もう二度と監督はしない、こんな悔しいことはない」と、涙ぐんでおられた。
監督が野球部に情熱をかけられていたことが、目をかけられていたことが解った。自主性を尊重され、クールな監督と思っていたが、意外な一面である。
浜町中学との一戦は今でも夢に出てくるし、思い出す。あと一歩のところまで追い詰めながら、敗れ去った。悔しい思いは私が一番と思っていたら、監督がいた。