喜寿

 私の喜寿の誕生日に山友を招待した。一人でケーキを食べても、御馳走を食べても、反って寂しいばかりで美味しくない。
無理を言ってきてもらったが、お祝いの気分になった。もうこの年になると誕生日もどうでもよくなったが、健康で長生きできれば目出度いことである。

 思い起こせば、77歳の喜寿まで平穏に迎えられたのは、丈夫に産んでくれた両親のお陰でもある。
高齢で私を産んでくれた母親の乳が出なくて、重湯で育った。病弱で青い顔をして栄養不足で目玉がギョロリした幼児時代を送った。

 栄養状態が悪かったが、身体がもともと強かったのか、食欲があったのか、小、中、高と一日も休まず学校に通った。
私がまがりなりに一人で生活できるのは、周りの人のお陰である。これからも、健康で楽しく過ごせるように、身体に気を付けて暮らしたい。