死ぬのが怖くなくなった

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  「文藝春秋」誌を知ったのはずいぶん昔、高校生の時だ。近所のインテリ小父さんから町の本屋に寄って、買ってきて欲しいとっメモを渡された。メモには「文藝春秋」
 それが文藝春秋を知るきっかけになった。学生時代に図書館で見かけ、それからずっと愛読している。
 立花隆さんの「田中角栄研究」、「日本共産党研究」は、発売と同時にむさぼり読んだことは、しっかり覚えている。
 しかし、当時私が読んだ感想は、時の権力者田中角栄を辞任に追い込むほどの迫力は感じられなかった。それがジワリと世間に浸透して、文章の力を見せつけたのである。
 先日、NHKで立花隆特集番組が放映された。それはシベリヤ抑留者香月泰男取材し、魂の叫びを一冊の本にまとめられた過程である。
 極寒の地、シベリアに抑留された極限の状況で、香月さんの死生観に触れられている。「死ぬのが怖くなくなった」。80歳で天国に旅立たれたが、その死は穏やかなものであっただろう。