煮しめの言葉は最近聞かれなくなった。私は小さい頃から煮しめで育ったようなものであるから寂しい。
煮しめは死語になったのだろうか?煮しめは方言だろうか、訝しく肥後弁辞書をひくと載っていない。広辞苑をひくとちゃんと項目がある。と言ううことは標準語である。
昨日調理した煮しめは、ふんだんに贅沢な材料を使ったた。シイタケでだしを取り、庭で採れた里芋、あげ、練り物、にんじん、なす、そして玉葱、豚肉まで入れた。冷蔵庫にある
材料を惜しみなく入れてみた。
人生初めて煮しめを作ってみたと大袈裟に言ううのはおこがましいが、我ながらよくやったと誇らしげになる。煮しめはベテラン主婦が作ると言うイメージがある。
肝心の煮しめが不味かったら、煮しめを作ったと自慢できない。自分で言ううのだからあてにはできないが、素晴らしい煮しめの味で、ようやく主夫になれたと思うことにした。
たかが煮しめの事で有頂天になっているとお叱りを受けるかもしれないが、私にとって煮しめは、遠い実家のお袋の味である。