歩いて行ける距離の本屋が遠くへ移転した。移転先へは、普段着で気軽に歩いて行けない。
大袈裟であるが、文化が遠くなったような気がする。本好きな人間にとって時間つぶしの場所が無くなるのは残念である。
本屋は本屋の都合があって、いちいち他人の事情など構っていられないのは百も承知であるが?
高齢者は暇で暇で、時間を持て余しているが、本屋の事情はわかっていても非常に痛い。
本屋は立ち読みの老人が一人減ったからと、反って喜んでいるだろう。本屋は痛くもかゆくもないだろうが、私は痛い。
先日、雨のなか、引っ越し先の本屋をのぞきに行った。以前の本屋なら傘置き場は入り口と決まっていたが、探してもわからず店員に聞く有様である。
素晴らしいモダンな建物に変身していた。それはそれは店内は洒落た雰囲気に変身していた。普段着では躊躇するほどの変わりようである。老人は変化に弱いのである。支払機で精算するのは、老人いじめである。