怪しげな団体から、もっともらしい団体の名前で通知書が届いた。通知人の団体名は、「熊本県商工業経営安定事業協同組合」と長たらしい名前である。
「出資金を払い戻しをする」、との主旨で、うまい話である。ピーンときた。これはオレオレ詐欺である。確かに私は商売をしていた。商工会にも加入していた。しかし、商売をやめたのはもう１３年前である。
金を払い戻すからとうまい話に乗って大事な虎の子をだまし取られた事例は後を絶たない。「俺は絶対騙されないぞ！！」と粋がってみたものの、金を払い戻すとは耳を傾けたくもなる。
店を閉めて十数年になるので、商工会には知り合いはいない。おそるおそる商工会に電話して尋ねてみた。「団体は実在しており、この度解散して精算する運びになった」。
「出資金を払い戻します」、とオレオレ詐欺ではなかった。
寝耳に水、全く出資金の払い戻し事など思いもしなかった。もともと自分の金であるが,すこし得した気分になった。
