告知

この半世紀の間にガン治療のありようが随分変わった。先ず告知のことである。ガンんと解った時、本人に告知するかどうかである。
告知は是か非か、以前は隠すだけ隠していたが、何時の間にか、本人に「ガンです、余命3カ月、良くて半年」、風邪と同じ感覚で本人の前にして伝えられる。

何時からガン告知が主流になったのか知らい。先日白血病で亡くなったマージャン友の0さんが、いきなりガン告知されたと話された。
告知するかどうか、家族に相談した形跡はなかったとビックリされていた。ガン告知は家族に相談する問題ではなくなったのである。

「余命3カ月です」、「残りの日々を思い残すことなく、やりたい事をやり、食べたいものを食べ、人生を全うしてください」との配慮からだろう。
告知に疑問を持つ人もいる。余命3カ月身体に、行きたい所に行く、食べたいもの食べることが出来るだろうか。評論家の江藤淳が、夫人の余命3カ月を医師に告げられ、「告知は、いたしません」。死の宣告はむごすぎる。