寒空

麓は暖かいが、立野の越えて阿蘇カルデラ内に降り立つと、ひんやりして初冬の風情が肌を指す。
生垣の山茶花が満開になり、周囲をはなやかに彩っている。ところどころ花びらが散り華やさかに拍車をかけている。

散った花びらを掃き集めていると、パトカーが停まった。静かな住宅地にパトカー、何事か!!。いぶしがっていると、お巡りさんが降りてきた。
「玄関が開きっぱなし、近所から通報があり駆けつけました」「持ち主と連絡とれません」。「最近引っ越されてきた方で」、やり取りが続いた。

お隣さんなのに、近所付き合いもないし、何の情報の持ち合わせもない。玄関が開きぱ無しではいかにも物騒である。
役に立たない私の情報でお巡りさんは困った表情だったが、遺憾にも仕方ない。お隣さんが何をしているか、連絡先ぐらい知っていた方がいいに決まっている。この先どうなつたか知らないが、明日は我が身である。