自宅で本お読んだり、テレビを観たり、家の周りを掃除したり気ままに過ごしている。家に籠っていても苦にならない人間である。

リビングのチャイムが鳴ったので外に出てみると、見知らぬ女の人が立っていた。私に若い女の人の用事があるはずがない。
インターホンで要件を切り出さないので、ドアを開けてしまったが、変な宗教かセールスに引っかかってしまったと後悔したが、後の祭りである。

「本日は75歳以上の一人暮らしの皆様のお宅を訪問させていただきました」「民生委員の○○です」、丁寧な物腰である。
私は高齢者を騙す悪徳セールスと身構えて、ぶっきらぼうな返事おしていたが、誠に申し訳なく、「失礼しました」と非礼を詫びた。
「一人暮らしの高齢者は閉じ籠りになりがちなので、町内のイベントにお出かけ下さい、何でも相談して下さい」。優しい眼差しとことばづかいに恐縮してしまった。

庭の梅はたわわに実つている。登山には梅干しは必需品である。おにぎりを頂上で食べる味は格別である。一年間分の梅を山友と漬けた。家に籠っている場合でない。