五月晴れ

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  爽やかな五月晴れである。鼻歌交じりで家の周りの掃除をしていると声かけられ、立ち話に花が咲く。井戸端会議とはこんなものだろう。
 数十年住んでいるが、近所で男同士の井戸端会議なるもの縁がなかった。ところが、連休のせいか、それでも巣ごもりか、話しかけられよもやま話に花が咲いた。
 「コロナのせいで、首になりました」、「今から家にずっと居ますのでよろしく」とキラキラに目を輝かせ挨拶された。 
 退職後、再雇用で働いておられたが、十分働いた満足感か、職を辞した悲壮感は微塵もない。元気な姿に、「これからも、よろしくお付き合いお願いします」と応じ微笑んだ。
 隣のご主人は庭木の剪定の手を休まれ、はす向かいの御主人は洗車の途中に話の輪に加われた。仕事の事、健康の事、話題は堰を切ったように流れ出した。高齢者だって、だからこそ誰かに胸の中を吐き出したいのだ。
 仕事を辞めたら、肩書なしで、フランクに着きあえる。自由にモノが言える。案外、自由は得ることでなく、身近にある気がする。